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酒呑みじぞうの杜氏直伝
社長と女性達に伝える日本酒の秘密



日本酒の種類、製造工程
日本酒の原型から歴史まで

そしてきき酒の方法や酒器、マナーなど
様々な検証を得て構成される
まさに日本酒のバイブルです。

ここにその一部をご紹介します。

日本酒のできるまで

日本酒マスターを目指すには  日本酒造りの行程
を知っていないとそのスキルの度合いは
大きく低下してしまいます


 逆にその工程を知ることで、日本酒の魅力を語る上で
大きなアドバンテージとなることは
間違いありません


思わず「日本酒の業界人の方なのですか?」とか
「酒蔵で働かれていたんですか?」
とか聞かれるようになるかもしれません


だからこそ、この工程をきちんと見ておきましょう!
他の人からの見る目が変わってくるはずです



それではまず日本酒関連の言葉を説明しながら
進めていきたいと想います


日本酒ができるまでの工程を簡単に説明します
まず日本酒の主原料ですが、米、米麹、水です

(純米酒で話を進めます)


 まずは精米作業から入っていきます




精米歩合という言葉がありますが、精米歩合
60%といった場合は米の40%を削るということです  


精米後の吟醸米(山田錦)

精米直後の米は熱を持っていて乾燥しすぎるので
枯らしといって一ヶ月ほど袋に入れて保管し
米に吸湿させて水分を調節してやります

精米の熱で乾燥しすぎるため徐々に冷やし
米の水分を回復させてやります

最初の作業は洗米です
糠(ぬか)を洗い流す作業です

普通酒の場合洗米機を使う蔵もありますが
吟醸酒は手で洗う作業になります(秒単位で行われます)


次の作業は浸漬(しんせき)といって
精米した米に水を吸わせる作業をします

米自体の水分によって浸漬の時間は異なってきます
吟醸酒の場合は秒単位で計測しながら行われます

その次が蒸米(じょうまい)、これは米を蒸すことです
一般的(こしき)という大きな蒸し器で蒸しあげます


理想の蒸し加減は外硬内軟(がいこうないなん)
といって外側が硬く中心部は軟らかいものが
理想といわれます




次は麹造り(こうじ)、蒸米に麹菌をふりかけ、
しっかり中まで菌糸がはるように育てます


一麹、二もと、三造りといわれるように、
  もっとも大事な作業です





この麹の出す酵素で米のなかの澱粉を
糖に変えるわけです




次は酒母造り(しゅぼ)、
これはもと造りとも言われ、
文字どうりお酒のもとを造る工程です
酵母を培養する作業になります


酒母タンクに醸造用乳酸を加えた米麹
合わせ3時間ほどおき、十分に糖化酵素を染みださせ(水麹)
そこに酵母 を加え、1~2時間後に蒸米を投入します


完成まで10日ほどです(速醸もとの場合)




酵母は糖分をアルコールに変える役目をします

蔵人達にはこんな伝説があります

造り手の技術と精神が極限に達した時、
薄く透明で途轍も無く大きな泡が酒母に現れて、
造り手の姿がその泡面に映るといいます
それを鏡面(かがみづら)といいます


蔵人はいつかはその鏡面を見ることができるのを
願っているというのです





日本酒造組合中央会制作の youtubeビデオをご紹介します

 


酵母が十分に増えたら、つぎはいよいよ
仕込み作業です


醸造タンクに酒母蒸米を加えていきます
これは一度に加えると酵母の働きが悪くなるので三回にわけ、
加える量を倍、倍と増やしていきます
これが三段仕込みです

一日目、初添(はつぞえ)、
二日目、踊りといって一日休み、酵母の増殖をはかり、
三日目、仲添(なかぞえ)
四日目、留め添(とめぞえ)


このように三回に分けて仕込みます
三段仕込みの終了です






これが(もろみ)です





このもろみを醗酵(はっこう)させていきます
麹の酵素で米のでんぷんを糖に変え
酵母が糖をアルコールに変える
これが同時に並行して行われます 

これを並行複発酵(へいこうふくはっこう)といいます

酵素による澱粉の糖化と酵母が糖をアルコールと
炭酸ガスに変える作業をを同時に行います
この方法は日本をはじめとする東アジア以外では見られない方法です

この状態から醗酵(はっこう)が進み、
お酒に変わっていくわけです

仕込みの留めという状態から醗酵が始まると、
醪表面が押し上げられて表面が割れるような状態になり、
筋状の泡ができてきます

これを筋泡といいます

筋泡のあと現れるのは水泡糖化が進んで
粘度が増すと岩肌のようになる岩泡、
さらに醗酵が進み炭酸ガスの勢いが増すと
岩泡を突き抜けて高く盛り上がる高泡に変わります  


写真は高泡の状態です

その後アルコールにより泡が落ちていって
泡が消えていき、落泡という状態になります

泡が落ちていった後、表面に玉のような泡が
浮かびあがってきます
これが玉泡です

かつては泡がタンクから溢れ出ないように
竹箒で泡を消す作業が大変だったそうです。
もちろん今では機械がやってくれます。

泡の上で細いプロペラのようなものが
回転して泡を消します。

最近は泡なし酵母も多く使われています。

中玉泡の状態

泡の状態は大玉泡中玉泡小玉泡
醗酵がおちついてくると小さくなっていきます。

最終的に泡がなくなっていき(じ)とよばれ
搾りの時期が近づいていきます


造るお酒にもよりますが、二十日から二十五日
くらいで醗酵が終わります

日本酒造組合中央会制作の youtubeビデオの後編です


吟醸酒は低温で醸すためさらに時間がかかるようです

十分に醗酵し、バランスを見た上で搾りに移ります

アルコール度数や糖度、もろみの状態から判断されます。
最終的に搾りのタイミングは杜氏さんの判断になります。
的確なタイミングを見極めて搾りの作業に移ります

このお酒を搾る作業を上槽(じょうそう)といいます。
昔は槽(ふね)でお酒を搾ったため今でもこの名で呼びます。

上槽の方法もいろいろあって、一番一般的なのは
自動圧濾圧搾機でしぼる方法です。
薮田式ろ過圧搾機(通称やぶた式といいます。

薮田産業が開発したためこう呼ばれます


それから昔ながらの(ふね)で搾る方法
(形が船に似ていたからそう呼ぶようになった)

上から圧力をかけて搾っていきます上槽です。

この酒袋につめて圧力を掛ける前に

最初にでる部分が荒ばしりです


圧力は徐々に強くかけられていきます


そして袋取りと呼ばれる方法もあります

雫取り、斗瓶取りといったりもします


この袋取りは酒袋に醪を入れて、

自重で滴り落ちるお酒を斗瓶にとる方法です

タンク上部に吊るしてそのお酒を斗瓶にとります。

ロープで上部から吊り下げる形から業界では

(首吊り)とも呼ばれます

*注(一時期日本酒業界不振の頃、実際首を吊った

蔵元もいらっしゃたために縁起が悪いということで最近は

あまりこの言葉は使われなくなりました) 

写真は荒ばしり 

これは主に鑑評会用のお酒などに使う手法です

最近は品質をアピールするためにこのとり方を

する蔵もふえています(吟醸、大吟醸に多い)

最初に出るのが荒ばしり、おりも多く含んでいます。

ぽたりぽたりと出る部分が中取り、または中垂れといいます

中取り後の酒袋の醪を槽がけしてとれる部分が、

攻めといいます。

一番いい部分は中取りになります。

荒ばしりは一番香りも強く迫力があり、

フレッシュな味わい

中取りは一番落ち着いたきれいな味になり、

攻めは濃厚な味わいのお酒になります。

お酒の形になるまでにはこれだけの手間が
かかっています。
だから、お酒を飲むことはは造り手の思いも
飲んでいることになることを知ってください。

いっそう美味しく感じると思います。
でもまだこれで製品の完成ではありません。

その後搾ったお酒は濾過(ろか)し、火入れをし、
熟成されることになります。

濾過にはフィルーターを使って澱(おり)を除くものと、
活性炭を入れ取り雑味や匂い、色を取り除くものが
ありますが最近は特殊な濾過フィルターもあります。

一般的に濾過といえばこの活性炭をつかう
炭素濾過(たんそろか)のことを指します。

最近よく見かける無濾過原酒(むろかげんしゅ)
というのはこの活性炭素濾過をしないで、
加水していないお酒のことをいいます。